パーソナルジムが増えるほど、続かない人が増えるわけ

事例・体験談

街を歩いていると、こんなジム、最近よく見かけませんか。

「2か月で別人に」
「完全個室・マンツーマン」
「医療提携・食事指導つき」

入口の写真は、どこも似たような笑顔のトレーナー。

数年前まで、パーソナルジムなんて一部の人が通うものでした。

それが今は、駅前に5軒・6軒。
ひとつの町に30軒ある、なんてエリアも珍しくなくなっています。

調べてみると、パーソナルジムの市場規模は約300億円。
前年比で+9.1%、ずっと成長しています(業界レポートより)。

つまり、お店の数はどんどん増えている。
選択肢は確実に広がっている。

なのに、です。

PLAN-B社の調査では、パーソナルジムに通ったことがある人のうち、いま現在も続いている人は 18.8% だけ。

5人に1人。

「ジムは増えているのに、続いている人は減っている」

これが、今のパーソナルジム業界で静かに起きていることです。

(店舗集客の全体像は、こちらの記事にまとめています。)

店舗の集客には順番がある。何から手をつけるか迷ったら、まずこの地図を見てください
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「種類が多いほうが売れる」が、必ずしも正しくない話

ここで少し、ジムから離れた話をさせてください。

ある研究で、こんな実験があったそうです。

スーパーの試食コーナーに、ジャムを並べる。
1日目は 24種類 ずらっと並べる。
別の日は 6種類 だけ並べる。

どっちが売れたと思いますか。

結果は、ちょっと意外でした。

24種類並べた日 → お客さんの 60% が試食した。でも、買った人は試食者のうち 3% だけ。

6種類だけの日 → お客さんの 40% が試食。買った人は試食者のうち 30%

数字を並べると、こうなります。

6種類のほうが、24種類より約10倍も「買われた」。

種類が多いほうが「目は引いた」。
でも、選ぶ段になると、人は決められなくなる。

これは2000年にコロンビア大学の研究で発表された、有名な「ジャム実験」と呼ばれている話です。

後年、再現実験で違う結果が出たケースもあるので、絶対の法則ではありません。

ただ、「選択肢が多すぎると、人は選ぶことそのものをやめてしまう」。
この感覚、なんとなく心当たりがある方は多いと思うんです。

ジムが30軒ある町で、起きていること

ここで、さっきのジムの話に戻ります。

選択肢が増えた町で、お客さんは何をしているか。

ある店主さんから、こんな話を聞いたことがあります。

「最近の体験のお客さん、申し込みのときに、めっちゃ他店と比較してるんですよ」

「LINEに、3軒分のパンフレットの写真が並んでて」

「『どこにしたらいいか、よくわからなくなっちゃって…』って」

迷っているうちに、月日が経つ。
気がついたら、「結局どこも始めなかった」。

これ、ジャム実験の 3%しか買わなかった 人たちと、構造が同じです。

「興味はある、でも決められない」。

そして、頑張って1軒に決めて入会しても──

続かないんです。

続かない理由は、本人の意志ではなく「必要性」のほうにある

「続かないのは、自分の意志が弱いからかな」

そう思ってしまう人は、たぶん少なくないと思います。

でも、ちょっと考えてみてください。

ジムが3軒しかない町なら、「あそこに通うために頑張る」って気持ちが立ちやすい。

ジムが30軒ある町だと、「ここじゃなくても別にいい」が、心のどこかで顔を出してくる。

つまり、選択肢が多いほど、ひとつのお店に対する 必要性 が薄まる。

「ここに通う理由」が、自分の中で立たなくなる。

私自身、以前あるサービスの個別相談を受けたことがあります。

事前のセミナーまでは、「これは面白そうだ」と興味があったんです。
分割払いも用意されていて、お金の問題はクリアできていました。
時間も、ひねり出せばなんとかなる範囲だった。

でも、申し込みませんでした。

あとから自分で分解してみたんです。

信用は立っていた。
興味も立っていた。
時間もお金もクリアしていた。

落ちていたのは、ひとつだけ。

「ここに通う必要性が、自分の中で立たなかった」

人がサービスを選ぶとき、必要性が一番最後に立ちます。

そして、必要性が立たないと、どんなに価格を下げても、どんなに分割払いを用意しても、選ばれない。

たとえ選ばれても、続かない。

だから、選ばれるジムがやっていること

ジムが増えるほど、お客さんは選び疲れる。
選び疲れたお客さんは、必要性が立たないまま、迷い続けて離れていく。

これが、今のパーソナルジムの「選択肢過剰」の現実です。

じゃあ、選ばれるジムは何をやっているか。

派手な割引でも、目を引く写真でもなくて。

「あなたにとって、なぜ今ここなのか」を、入口で立ててあげる工夫を、しているんです。

体験のときに、その人のいまの体・くらし・目標を聞き出す。
30軒のうちの1軒ではなく、「あなたのためのジム」だと感じてもらう。

入会後も、その人が「ここでやる意味」を感じ続けられる接点を作る。

派手なお店が増えるほど、必要性を丁寧に立ててくれるお店が、逆に光って見える。

選択肢が多い時代の集客は、選ばせる前に「ここしかない理由」を立てる仕事になっていく。

それは、お客さんを縛ることでも、囲い込むことでもなくて。

迷っているお客さんを、選び疲れから救ってあげることなんです。

自分のお店は、どう見えているか

最後に、ひとつだけ。

ご自身のお店が、いま街の中でどう見えているか。

Googleマップで「パーソナルジム ○○(地名)」と検索したときに、隣に何軒のライバルが並んでいるか。

その中で、お客さんはどうやって「ここにする」って決めるか。

一度だけ、お客さんの側に立って、見てみてもらえると嬉しいです。

そこに、「選ばれる入口」のヒントが、たぶん落ちています。

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読んでくれてありがとうございました。